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『困ってるひと』を読んで
評価:
大野 更紗
ポプラ社
¥ 1,470

皮膚筋炎、筋膜炎脂肪織炎症候群という日本でほとんど前例がない自己免疫疾患系の難病を患った大野更紗さんの闘病記です。
闘病記や医学書って、自分自身や近しいがその病気になったり、その病気の可能性があったりしないとなかなか読まない気がするんだけど、(言葉が非常に平べったいですが)実にドラマチックで、とってもユーモアに富んでいて、“生きること”がぎゅっと凝縮されている非常に面白い本でした

そして、何よりすごいと思ったのは、自分の体験をここまで書き上げるエネルギー。
24時間365日ずっとインフルエンザ状態という頭をフル回転して、今まで自分が体験したこと、現在進行形で体験していた苦しい・辛い日々の中で自分の行動を事細かく鮮明に記憶して、それをどのように組み立てるか考えて文章に起こしていく(しかも読みやすく!)。
それは、非常に拙い文章だけど自分も入院&手術体験記を書いた人間として、本当に並大抵のことじゃないことがとーってもよくわかります。ホント、すごいです、このお方

医療難民、検査検査検査の毎日、ようやくわかった病名、日本の行政や医療制度、進行していく病状、友情や恋愛模様、大胆な発想と緻密な計画によるお引越し大作戦etc・・・
こう書き記してみると情報てんこ盛りなんだけど、文章自体はコンパクトにまとまっているので勢いよく読み切れました。

病気によって感じた鬱な気持ちも迷いも孤独などネガティブな発想も包み隠さず綴っているけれど、この人の根底にあるものは明るく朗らかで自分で道を切り拓いていける力強さだってことは、本を読んでいる間ずっと感じていました。
お引越しの一部始終は、思い込んだら一直線!の行動力のたまもので、なんだかワクワクする冒険小説を読んでいるような感覚になりました。

ただの闘病記で終わらず、現代日本の医療制度や医療現場の問題点に触れています。
「こうすべきだ!!」という考えを押し付けるのではなくて、「こんなに困っているのに、どうしてこの問題はこんな複雑なことになってるんですか?」っていうやんわりとした問題提起で留めている。
それは、「まず『なぜ?』という感覚を多くの人に持ってもらいたい、まずはそこからスタートじゃないですか?」っていう投げかけのように私は受け止めました。

「あの人」とのその後はどうなったのかな?
おしりの洞窟はふさがったのかな?
難病を背負いながらの一人暮らしはどうなのかな?
など、気になるその後が盛りだくさんです

ブログを拝見したところ、闘病記以外にもいろいろと物書きのお仕事をされている模様。
これからも大野更紗という人のいろんな面を見せてくれることに期待しています!

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読んだ人が「食べてみたい!」と思ってもらえたら嬉しいなぁ。
そんなことを願いながら綴っています。
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