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ドラママチ
「街」と「待ち」。
この2つの言葉がうまいこと「ドラマ」にかかっているこの本は、角田光代さんの2006年に発売された8編からなる短編集です。

舞台は中野、阿佐ヶ谷、荻窪、吉祥寺、東小金井など中央線沿線の駅で、主人公はいずれもその街で暮らしたり、訪れたりした30〜40代の女性。
長いこと不倫している人、既婚者、独身etc様々な女性が登場して、そして、彼女たちは何かを“待って”います。
子ども、称賛、やる気、自分らしさ、プロポーズ、恋愛の訪れ、離別etc…。
彼女たちは、自分の人生がドラマチックに変化する瞬間を待っている人たち。

駅ごとに街の雰囲気に特徴がある中央線の魅力に登場人物がマッチしているし、どの作品にもその街の喫茶店が登場するのも中央線沿いの文化がきちんと描かれていると思います。
私は20代前半でよく西荻に行ってたからそれぞれの街の雰囲気がなんとなくわかってる(つもり)なんだけど、中央線を知らない人が読んだらどんな風な街をイメージするのかな?っていうのも気になるところ。

今回、この本に☆5つをつけました。
ごく個人的な理由だけど、今の自分にズシンと響きました。

全ての話を読み終えた時、“待つ”時に抱いているもやもやした気持ちってなんてかっこ悪いんだ!と思った。
待つことは自分ではない何かが自分を変えてくれることを期待しているわけで、だから、自分は何も変わらずにその時をじーっと待ち続ける。
待つことは従順なことに思えるけど、その心の中はくるくるかわる万華鏡のようで、回れば回るほど華やかな色は褪せていき、閉塞感や行き場のない苛立ちや寂しさ、しまいにはそれが憎しみといった類のものにまで変化していく。
それなのに、そんな気持ちを抑え込んで「待ち続けるいい女」でいたいと願うのも、また女なんだと思う。

作品の中の女性たちは、(あまり賢くない方法だけど)自らアクションを起こしてみたり、自分の意志と反して周囲に変化を促されたりするんだけど、でも、それって結局“自分の日常”という延長線上にあるものだから、傍から見れば大きな出来事も、自分にとってはそのことの大きさが分かりにくかったり。結局「ドラマを待って」たって訪れない。自分のことじゃないからドラマチックに思えるんだ、きっと。

・・・なんて思いながら読み終えた瞬間、実は私もただの待ってるだけの女?この数か月、私もこの本に出てくる女の人たちと同じく待ってるだけじゃなかったか??ってハッとした。実にかっこ悪いと思った姿が自分自身。。。

“待つんじゃなくて動く”女になろう!そのためには行動あるのみ!と思って、過去の自分とと切替スイッチな意味も含めて髪を切ったり(あまり印象は変わってないらしいが、自分の中では大きな変化)、相手を尊重しているつもりで抑えていた気持ちを伝えてみたり、自分がこうしたいと思ったことを正直に動いてみようと思った。なーんだ、もっと前にこうしておけばよかったんだ。一人でぐずぐず悩んでいるより、少し動くだけで解決できる問題もあったんだ。

確かにグッと堪えたり、状況を判断するために一時停止することは絶対に必要だと思うけど、何かを待つ時間が長ければ長いほど、心が疲れ切っていく。そうなる前に自分から動く努力をすることで改善できるものがある。そんなことをこの本から学んだ気がします。

角田光代さんの本は「誰かのいとしいひと」「愛がなんだ」「ピンク・バス」「Presents」以来の5冊目なんだけど、どの話も心に(いい意味で)ぐさりと突き刺さるものが多くて、とても好きな作家さんです。20〜40代の女性の心情を見事に描き出してる。
男性が読んだらどういう印象を受けるのかわからないけど、女の人は共感する人が多いはず。

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