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没後25年 有元利夫展 天空の音楽


東京都庭園美術館が夜間開館を実施していたので会社帰りに隣駅の目黒で下車。
没後25年 有元利夫展 天空の音楽」を鑑賞してきました。

建物そのものが芸術品である庭園美術館。
植物自然園の中に建っていることもあって、夜の敷地内は音だけじゃなく空気もなんだか静か。
なんだか時間が止まったかのような感覚になりました。
宝箱のようなこの美術館で、有元利夫の作品を観ることができるなんてなんて贅沢。

行った日はちょうど故人が愛したバロック音楽をフルートで奏でるというミニコンサートイベントが行われていて、第1室であるエントランスホールは超満員でした。
目で美術を楽しみ、耳で音楽を楽しむ。最高の贅沢ですね



今回の展覧会ポスター。これを見て「あ、この絵の画家さんね」って思う人も多いと思う。

洋画家だけど日本画の岩絵の具を使ってフレスコ画のように作品を描く作風。
「没後25年」だけど、作品はあたかも何百年も前からあったような存在感。
風化を美しいものと捉えながらも普遍的。
こんな作品を20代から描き、そして38歳という若さでこの世を去った有元さんは(しかも一度サラリーマンを経験してる)、とてもぼんやりとした言い方だけど、やはり“選ばれた人”なんだろうなぁと作品と向き合いながら強く思いました。

青とも緑とも言えない空の色、そして深く染み入るような臙脂っぽい赤。
曲線が多い作品の中に緊張感を与えるような直線や格子模様。
包み込むような空気感が好き。
一見「静」の画面だけど、じーっと作品の前に立っていると(先入観のせいもあるとは思うけれども)リズムなのかメロディーなのか音楽が響いてきます。私の中では4拍子じゃなくてワルツのような3拍子の軽やかなイメージ。

ただ、それもたくさんの苦悩の時間の上に成り立った軽やかさなんだということがこの展覧会で一番印象強く残ったことでした。
それを教えてくれたのは2階の最終室にあった2つの未完成作品。

制作年が入っていないかったので、亡くなる直前に手掛けていらっしゃった作品なのかもしれないんだけど、まだ下塗りを数回重ねてなんとなく作品の描きたいものがわかるという程度のキャンバス。女性を描こうとした作品と、もう1つは赤ちゃんを描こうとしたもの。

その横に添えられた言葉は(うろ覚えなのでニュアンスだけ伝われば。)
理想の姿は遠くに見えているのに、一歩先が見えない。遠くははっきり見えるのに、足元はどんどん暗くなっていく。
理想は見えるのにどう近づいていけばいいのかがわからない、そんな中で毎日試行錯誤を繰り返しながら一筆一筆描いていたんだなぁと思うと、その果てしなさにクラクラとめまいがしそうでした。

激しいエネルギーを放つ攻撃的な芸大の卒業制作からどんどん毒気が抜けるというか昇華していくような作品の変遷をたどる絵画、版画、立体作品およそ100点の展覧会です。



art 22:01 comments(0)
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