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あしたがある
パラパラめくっていたOZ plusの「元気になる言葉」特集で印象に残った詩があったので引用させてもらいます

「あしたがある」 枡野浩一

あしたがある
あしたがあるから困る
きのうまでがんばった
きょうだってせいいっぱい
なのに
あしたがある
夢がない
あしたがある
あしたになっても
あしたがある
どうなるかわからない
あしたがあるさ

この詩はtwitterでつぶやいた作品だそうで、探したら見つけました。
元ツイートはこちら→ http://twitter.com/#!/toiimasunomo/status/36281987127840768
2月26日に投稿されたものなので東日本大震災の前。
3月11日の東日本大震災がなければ、この詩はそれほど私のこころに響いていないかもしれない。
でも、あの日を経験したから、今すごくずしりと感じるものがあります。

♪あしたがあるさ あすがある〜
なんて底抜けに明るい歌があるけれど、やっぱりそういう気分じゃないんだよね。
この詩ほど絶望の淵には立っていないけれど、一日一日を大切にしなきゃいけないと改めて思う。

最後の「さ」が降り注ぐ希望の光が射し込んでくる。
たった一文字が詩の印象をガラリと変えてしまうように、ほんの小さなことをきっかけに大きく何かが変わるのかもしれない。

book 23:26 comments(0)
『困ってるひと』を読んで
評価:
大野 更紗
ポプラ社
¥ 1,470

皮膚筋炎、筋膜炎脂肪織炎症候群という日本でほとんど前例がない自己免疫疾患系の難病を患った大野更紗さんの闘病記です。
闘病記や医学書って、自分自身や近しいがその病気になったり、その病気の可能性があったりしないとなかなか読まない気がするんだけど、(言葉が非常に平べったいですが)実にドラマチックで、とってもユーモアに富んでいて、“生きること”がぎゅっと凝縮されている非常に面白い本でした

そして、何よりすごいと思ったのは、自分の体験をここまで書き上げるエネルギー。
24時間365日ずっとインフルエンザ状態という頭をフル回転して、今まで自分が体験したこと、現在進行形で体験していた苦しい・辛い日々の中で自分の行動を事細かく鮮明に記憶して、それをどのように組み立てるか考えて文章に起こしていく(しかも読みやすく!)。
それは、非常に拙い文章だけど自分も入院&手術体験記を書いた人間として、本当に並大抵のことじゃないことがとーってもよくわかります。ホント、すごいです、このお方

医療難民、検査検査検査の毎日、ようやくわかった病名、日本の行政や医療制度、進行していく病状、友情や恋愛模様、大胆な発想と緻密な計画によるお引越し大作戦etc・・・
こう書き記してみると情報てんこ盛りなんだけど、文章自体はコンパクトにまとまっているので勢いよく読み切れました。

病気によって感じた鬱な気持ちも迷いも孤独などネガティブな発想も包み隠さず綴っているけれど、この人の根底にあるものは明るく朗らかで自分で道を切り拓いていける力強さだってことは、本を読んでいる間ずっと感じていました。
お引越しの一部始終は、思い込んだら一直線!の行動力のたまもので、なんだかワクワクする冒険小説を読んでいるような感覚になりました。

ただの闘病記で終わらず、現代日本の医療制度や医療現場の問題点に触れています。
「こうすべきだ!!」という考えを押し付けるのではなくて、「こんなに困っているのに、どうしてこの問題はこんな複雑なことになってるんですか?」っていうやんわりとした問題提起で留めている。
それは、「まず『なぜ?』という感覚を多くの人に持ってもらいたい、まずはそこからスタートじゃないですか?」っていう投げかけのように私は受け止めました。

「あの人」とのその後はどうなったのかな?
おしりの洞窟はふさがったのかな?
難病を背負いながらの一人暮らしはどうなのかな?
など、気になるその後が盛りだくさんです

ブログを拝見したところ、闘病記以外にもいろいろと物書きのお仕事をされている模様。
これからも大野更紗という人のいろんな面を見せてくれることに期待しています!

book 22:31 comments(0)
ドラママチ
「街」と「待ち」。
この2つの言葉がうまいこと「ドラマ」にかかっているこの本は、角田光代さんの2006年に発売された8編からなる短編集です。

舞台は中野、阿佐ヶ谷、荻窪、吉祥寺、東小金井など中央線沿線の駅で、主人公はいずれもその街で暮らしたり、訪れたりした30〜40代の女性。
長いこと不倫している人、既婚者、独身etc様々な女性が登場して、そして、彼女たちは何かを“待って”います。
子ども、称賛、やる気、自分らしさ、プロポーズ、恋愛の訪れ、離別etc…。
彼女たちは、自分の人生がドラマチックに変化する瞬間を待っている人たち。

駅ごとに街の雰囲気に特徴がある中央線の魅力に登場人物がマッチしているし、どの作品にもその街の喫茶店が登場するのも中央線沿いの文化がきちんと描かれていると思います。
私は20代前半でよく西荻に行ってたからそれぞれの街の雰囲気がなんとなくわかってる(つもり)なんだけど、中央線を知らない人が読んだらどんな風な街をイメージするのかな?っていうのも気になるところ。

今回、この本に☆5つをつけました。
ごく個人的な理由だけど、今の自分にズシンと響きました。

全ての話を読み終えた時、“待つ”時に抱いているもやもやした気持ちってなんてかっこ悪いんだ!と思った。
待つことは自分ではない何かが自分を変えてくれることを期待しているわけで、だから、自分は何も変わらずにその時をじーっと待ち続ける。
待つことは従順なことに思えるけど、その心の中はくるくるかわる万華鏡のようで、回れば回るほど華やかな色は褪せていき、閉塞感や行き場のない苛立ちや寂しさ、しまいにはそれが憎しみといった類のものにまで変化していく。
それなのに、そんな気持ちを抑え込んで「待ち続けるいい女」でいたいと願うのも、また女なんだと思う。

作品の中の女性たちは、(あまり賢くない方法だけど)自らアクションを起こしてみたり、自分の意志と反して周囲に変化を促されたりするんだけど、でも、それって結局“自分の日常”という延長線上にあるものだから、傍から見れば大きな出来事も、自分にとってはそのことの大きさが分かりにくかったり。結局「ドラマを待って」たって訪れない。自分のことじゃないからドラマチックに思えるんだ、きっと。

・・・なんて思いながら読み終えた瞬間、実は私もただの待ってるだけの女?この数か月、私もこの本に出てくる女の人たちと同じく待ってるだけじゃなかったか??ってハッとした。実にかっこ悪いと思った姿が自分自身。。。

“待つんじゃなくて動く”女になろう!そのためには行動あるのみ!と思って、過去の自分とと切替スイッチな意味も含めて髪を切ったり(あまり印象は変わってないらしいが、自分の中では大きな変化)、相手を尊重しているつもりで抑えていた気持ちを伝えてみたり、自分がこうしたいと思ったことを正直に動いてみようと思った。なーんだ、もっと前にこうしておけばよかったんだ。一人でぐずぐず悩んでいるより、少し動くだけで解決できる問題もあったんだ。

確かにグッと堪えたり、状況を判断するために一時停止することは絶対に必要だと思うけど、何かを待つ時間が長ければ長いほど、心が疲れ切っていく。そうなる前に自分から動く努力をすることで改善できるものがある。そんなことをこの本から学んだ気がします。

角田光代さんの本は「誰かのいとしいひと」「愛がなんだ」「ピンク・バス」「Presents」以来の5冊目なんだけど、どの話も心に(いい意味で)ぐさりと突き刺さるものが多くて、とても好きな作家さんです。20〜40代の女性の心情を見事に描き出してる。
男性が読んだらどういう印象を受けるのかわからないけど、女の人は共感する人が多いはず。

book 22:34 comments(0)
洋菓子店コアンドル
明日から公開の「洋菓子店コアンドル」。そのノベライズ本を読了しました

幼馴染の彼氏を連れ戻すために鹿児島から上京してくる女の子なつめが、人気洋菓子店コアンドルで働きながらどん底状態からいろんな人との触れ合いを通して強くなり、自分の道を見つけるストーリー。
簡単にまとめてしまえば、こんな感じです。

脚本をノベライズしたということあって、なつめ=蒼井優、元伝説のパティシエ十村=江口洋介っていうキャストが頭の中にしっかり居座ってしまって。
どこまで読んでも「なつめと十村を軸にしたストーリー」ではなく「なつめを演じる蒼井優と十村を演じる江口洋介のストーリー」っていう印象でした。

物語の中に、登場人物の心がぐらっと揺れて物語のターニングポイントと言える箇所が3~4カ所あるんだけど、文章が実にあっさり。美味しいケーキの話なのに、味気ないくらい「えー。そんなんでそんな風に劇的に変わるかい?」って思うくらいあっさりさっぱりすっきり。
もう少し情感を思って心理描写に迫るような描き方が出来なかったのかなぁ。
「蒼井優はきっとこんな風に演技するんだろうな」ということを想像しながら読まないと、とても都合のいいお話しに思えてしまう印象でした
映画を見てから、たまに思い出したくて読む分にはいいのかも。さらっとしてるので1時間ちょっとで読めちゃったし。

というわけで、小説としてはイマイチ読み応えがなかったため、今回は辛口で1つ。

なつめのキャラクターが、鹿児島弁、思ったことをすぐ口にする、自信過剰、のめり込むと超ひたむきっていうコロコロ感情の波が激しい子なので、このキャラクターがスクリーンでどう映るのかっていうのが見どころかと思います。



book 12:38 comments(0)
勝手にふるえてろ
綿矢りさの作品を読むのは、今作が初めて。

いつからだろう、さらなる飛躍という言葉が階段を駆けのぼるイメージではなくなり、遠くで輝くものを飛び上がってつかみ取り、すぐに飽きてまるきり価値のないものとして暗い足元へ放る、そしてまた遠くへ向かって手を伸ばす、そのくり返しのイメージに変わったのは。

1頁8行目からのこの数行で、心をぐっと持っていかれて、そのまま本を購入してました。
ちょうど仕事がひと段落したタイミングで(正確に言えば「した、と思ったタイミング」)だったこともあって、“これまで”と“これから”を考えていた私にズシリと響いたフレーズでした。

主人公は、上京して大手の経理部に勤務、趣味はwikipediaで絶滅危惧種の情報収集とアニメイトなら何時間でもいれるという26歳の元オタク女子・ヨシカ。
中学時代の初恋の相手「イチ」を忘れられず、彼の思い出を自分の中でコロコロ転がしながらキレイに磨き上げてきたところに、自分と付き合いたいという同期社員の「ニ」が現れる。もちろん恋愛偏差値は低くて、年齢=彼氏いない歴という彼女はどちらを選択するのか?というストーリーでした。

まず思ったのは「こんなに勢いのある文章をどれくらいの時間をかけて書いたのだろう?」という驚きに近い疑問でした。
小説だからそりゃ時間をかけて書いているに違いないと思うんだけど、文章からヨシカのぐるぐる高速回転するような思考が、実にわかりやすく&その上スピードがまったく衰えずに迫ってくる印象を受けました。この作家さんは、言葉の使い方がうまいんだなぁ。

ストーリーについてはいろいろ思うところがありました。
「過去」はあくまでも「過去」であり現在進行形ではないことを痛感するシーンから、物語が加速度をあげて進んでいくんだけど、そこからクライマックスへ向けての展開が「え???!」という頭の中に常に「?」が浮かんでいる状態でした。
恋に恋していた女の行く道は、嫉妬や憎悪という負のオーラをまとって暴走するんだけど、それがなんだか…方法があまりにも幼稚で自己中心的(まぁ、それがいけない方向に行ってたらこの作品はサスペンスになってしまうわけですが)。
ただ、裏を返せば「付き合う」という行為は、それだけ人をいろいろな意味で「大人」にするのかもしれない、なんて思ったり。

ちょっと残念だったのは、ヨシカが心の中で愛で続けてきた中学時代の「イチ」は頭の中でイメージが簡単にできたんだけど、大人になった「イチ」とその正反対の人物として登場する「ニ」の人物像がイマイチくっきりと形にならなかったなぁ、という印象だったこと。
ヨシカの視点で描かれているから、「イチ」が秀でているのはしょうがないんだけど、もう少し今目の前にいる2人の魅力が感じたかったなぁ。



book 17:26 comments(0)
ペンギン・ハイウェイ
評価:
森見 登美彦
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,680

「夜は短し歩けよ乙女」など京都を舞台に男子大学生が主人公だったこれまでの森見作品と大きく違うのは、今回の主人公は小学生の少年・アオヤマ君。
でも、こいつがまたこまっしゃくれているというか、生意気な口のきき方(「僕は怒ることはないのです」とか小学生に言われたらちょっとイラっとくるw)はやっぱり森見ワールドでした
時折こどもっぽいことを言うのがかわいらしくもあるんだけど。
(この作品とは関係ないけど、森見さんが女の子を主人公に書いたらどうなるんだろうなぁ。興味ある。)

「僕はものすごく研究熱心だから大人になったら誰よりも偉くなるのだ」と、お父さんから教わったノートの書き方で様々な「研究」を行う僕は、探検仲間のウチダ君と市内の探検地図を作ったり、歯科医院で働く(僕が好意を寄せている)お姉さんとチェスの勝負をしたり、頭フル回転の毎日を過ごしていた。

そんなある日、街に突然ペンギンが出現
ペンギンの謎を研究する過程で次々と不思議な出来事に遭遇し、やがてペンギンとお姉さんが密接に関係があることに気づいていく…一体お姉さんは何者?!っていう冒険SFストーリー。

事例の整理から仮説を立てて実証するアオヤマ君、心優しい哲学的思考の持ち主ウチダ君、データ整理が得意な理系少女ハマモトさん、対立するジャイアンみたいな“スズキ君帝国皇帝”のスズキ君といった子どもたちの活躍する一方で、わが子を見守るお父さんとお母さん、そしてこの物語のキーウーマンでもあるお姉さんという3人の大人も魅力的でした。

4章「ペンギン・ハイウェイ」からの怒涛の展開に一気に読むスピードがあがりました
amazonレビューではクライマックスについて賛否両論あるようだけど、摩訶不思議な世界を描く森見作品として私はアリだと思う

時折、淡い恋心が見え隠れして小学生っていう時期のフクザツな心模様も感じ取ることができて、ちょっとむず痒いような気持ちにもなりました

ひと夏の大冒険を終えて、様々な感情を体験して一回り成長した僕のエピローグは、この先もアオヤマ君は相変わらず“ややこしい子ども”なんだろうけど、きっといい大人になってくれそうだなぁ〜と思える清々しいエンディングでした

夏休みを挟む140日間のお話なので、この時期に読むのがオススメ
「小学生の夏休み」を描いた作品って、どうしてこんなにワクワクドキドキするんだろう
それはきっと“夏休み”という特別な期間が持っている魔力かもしれない。

夏休みの読書感想文にもいいんじゃないでしょうか?
子どものころにこの作品に出会っていたら、また違う読み方ができそう。
きっと歯科医院のお姉さんに対してものすごく警戒しそうだけどw
book 12:13 comments(0)
女たちは二度遊ぶ
評価:
吉田 修一
角川グループパブリッシング
¥ 500

beeTVでケータイドラマ化された吉田修一さんの原作本「女たちは二度遊ぶ」です。
「日本の11人の美しい女たち」をテーマに書かれた11篇の短編集で、そのタイトルがどれも想像力をかきたてられるものばかり。

・どじゃぶりの女
・殺したい女
・自己破産の女
・泣かない女
・平日公休の女
・公衆電話の女
・十一人目の女
・夢の女
・CMの女
・ゴシップ雑誌を読む女
・最初の妻

「吉田修一って男だよね?女じゃないよね?」って思うほど、女性の心理を寸分のブレもなく中心を射抜くようなストーリーばかりに驚いたというのが一番の感想
女性作家が書けば被害妄想のように思えるストーリー展開も、男性作家が書くことですごくリアリティと説得力がある上に、女性心理をすごく捉えているので女性が読んでもストーリーに登場する女性主人公が宙に浮いている感じがしない。

主人公はどの作品も男の人。「最初の妻」だけ中学生の男の子だから例外だけれども、他10篇の男の人に共通しているのは、お世辞にも誠実に女性と付き合っていない、向き合っていない、ただ楽しんでいるだけの人たち。
まぁ、シチュエーションが違えどもそんな人にホイホイとくっついていって夜を共にしてしまう女の人の話も多く、「ダメ男が悪い!」とも一概に言えないんだけど・・・。
話の中で登場人物が生活している息遣いとその仕草や立ち居振る舞いとか日常を思い描けるような描写が、ただの遊びの関係だけを描くだけじゃない心に残るストーリーとして仕上がっているんだと思いました。

話がちょっと戻って、繰り返しになるけれどこの短編のテーマは「美しい女たち」なんだけれども、その“美しさ”とはなんだろう?と考えたくなる1冊です。

「どしゃぶりの女」はお風呂に3日も入らなくても大丈夫で、部屋から全くと言っていいほど出ず、お弁当を買って帰ってきてくれるのをひたすら待ち続けるまるでペットのような女だし、
「自己破産の女」はいきなり飲んだくれで醜態をさらし、「十一人目の女」は彼氏がいながら浮気をしていて(しかもその相手は遊び人で他にも多数女がいる模様)同棲している部屋に戻ったら別れを切り出そうとしている。

「美しさ」って穢れがないということじゃなくて、様々な暗い部分があるからこそ輝いて見えるということなのかな?とこの本を読み終えた時の最後の感想。

beeTVではもちろん女優さんが演じているので美しい方が登場しますが、文章だけを読んで思い思いの「美しい人」をイメージしてみてるものいいかもしれません。



book 15:20 comments(0)
つむじ風食堂の夜
amazonの商品紹介に
2002年に筑摩書房より発行され、同社内の最高発行部数を誇る吉田篤弘の人気小説
という表記がありました(本のページではなく、オリジナルサントラの商品ページに)。
どれだけ売れたのかは知らないけれど、こんなほわわわ〜んとした作品が最高部数とは驚き。

月舟町というこじんまりしたどこにでもありそうな雰囲気の街が舞台。
雨についての研究をしながら物書きで生計を立てている“先生”がこの街に引っ越してきたところから物語が幕を開けます。
交差点に位置していて、いつもつむじ風がお店の前を通り過ぎるからみんなに「つむじ風食堂」と呼ばれているお店がみんなの憩いの場。
そこに集う数人との8つのエピソードで構成されています。

食堂内での料理の描写があるけれど生唾を飲み込むような綴り方ではなく、あたたかい空気に満ちていてそれぞれが夕食を楽しんでいて、このお店が好きなんだなというのが伝わってくるような描き方です。

先生の父親のエピソードや登場人物それぞれの人間性について触れるところもあるけれど、深く切り込むことはなくて、冒頭にも書いたけど全てが「ほわわわ〜ん」としています。
起承転結の「転」を感じさせない本とでも言えばいいでしょうか。
ストーリーを楽しむというよりは、夜の雰囲気を楽しむ本です。
のんびりと過ごしたい夜を“素敵な夜”に変えてくれる力はある、そんな本です
決して会社に向かう通勤電車向きではないですね。仕事したくなくなるもんw
お疲れ気味の人にプレゼントしてあげたらバッチリかもね。

活字だからこそ、それぞれの先生像、それぞれのつむじ風食堂のイメージが思い描けるし、ちょっと物足りないからこそ、登場人物のその後を想像するのも楽しいし。

↑で書きましたが、私はもっとストーリーを楽しみたい派なので、平坦だったストーリーに対してってことで☆は3つにしました。
book 21:50 comments(5)
君たちに明日はない
最近、NHKの土曜9時のドラマが非常に面白いと思う
この枠で前クールに放送されていたのが、「君たちに明日はない」です。
http://www.nhk.or.jp/dodra/kimiasu/

リストラ請負会社である日本ヒューマンリアクトに勤める村上真介が主人公。ドラマでは坂口憲二が演じてました。
建設会社、銀行マン、デパートの外商部、おもちゃの商品開発、コンパニオンに温泉旅館に消費者金融まで。
様々な職業に就く、様々な人たちの人生と向かい合っていくストーリーになっています。

リストラという極めてネガティブというかドロドロとした人間劇が密室で繰り広げられるにも場面が多いにも関わらず、どこかカラッとした清々しい印象を与えるのは、リストラを受ける人のほうが最終的には一筋の希望を見出していくからかな。
いや、これを読んでいる時点では私は主人公と同じ、もしくは面接会場をチラッと見ている傍観者だから「面白い」と思えるのかもしれない。

村上の恋人である8歳年上の陽子。
彼女は、村上担当のリストラ面接を受けたことがきっかけで付き合うようになるという「えーーー、それはないわぁ」なんだけど、陽子の単純で喜怒哀楽が激しいっていう性格を踏まえると、それもありなのかなってだんだん思えてくるあたりが設定の上手さなのかな。
ドラマでは田中美佐子が演じていて、本を読んでいる間2人の姿が私の頭の中を動き回っていましたww

原作本とドラマはほんの少し設定が変わっているところがあって、ストーリーからすると私はドラマ版のほうが好きでした。

特に真介と陽子の恋愛絡みのエピソードは、ドラマ版のほうが上手く練られていたと思う
原作本では、すぐに2人が恋人関係になってしまって唐突に性的描写が入ってきたりと、なんだか陽子がとても尻軽な感じに描かれていたのがちょっと残念
まぁ、先にドラマを見てから本を読んだという順番から来る印象はあると思うのですが。

ただ見方を変えて、仕事=理性、恋愛=本能だとするならば、敢えて露骨な描写をすることで“人間らしさ”を炙り出そうとしてたんじゃないかな?とも考えられたり。

続編である「借金取りの王子」ではそういう描写が減っていたし、解説にも書かれていたけど女性を主人公にしたエピソードが多いからそういう点が配慮されてのかもしれません
・・・って、この解説を書いた宅間孝行さんがドラマの演出を手掛けていたと、HPを見て初めて知った
しかも、演出は朝の連続テレビ小説「つばさ」で真瀬さんを演じてた人じゃないですか
原作本を上手いことアレンジしたなぁ〜。素晴らしい

第3弾の「張り込み姫」というのも出ているらしいので、それも機会があったら読んでみようと思います。

book 12:21 comments(1)
午前3時の無法地帯
羊毛とおはなのアルバムを買った時、こちらも買おうかどうか悩んだ挙句に泣く泣く置いてきた「午前3時の無法地帯」。
なんと、新年早々中学時代からの友達であるあやちゃんが貸してくれた本たちの中に入ってた
浅草寺の観音様の大吉効果?!

専門学校を卒業してイラストレーターを目指すももちゃんが就職したのは、なんとパチンコ専門のデザイン会社。
常にタバコの煙が漂う社内で、徹夜なんかは当たり前。
夜が更けた午前3時頃には半裸状態で仕事をする先輩。ヤクザのように怖い営業マン。
会社にはもちろん簡易ベッド、シャンプーとリンスが常備。シャワーを浴びたい時は近くのネットカフェへという、超多忙な職場環境。
「こんな会社辞めてやる!!」と思いながらも、仕事を通して成長していく一生懸命なお仕事ストーリー。

そんな生活を描いていながらもデザイン会社の端くれ(?)だけあって、登場人物がみんなスタイリッシュ
たとえ給湯室でシャンプーしていても、夜中をすぎて化粧がドロドロになっても、キャラクターもののスウェットに身を包んでいてもかわいいんですよ〜
ももちゃんの着こなしは楽そうでありながら、ツボを得ていてとてもキュート。
足元はヒール靴っていうのが女子力を下げてなくて尊敬するわ〜。
私はもうヒール靴から脱落しちゃったもんなぁ〜。どんどん足首がサリーちゃんになってる今日この頃。。。

1巻では学生時代から付き合っていた彼氏たもつの浮気に揺れ、2巻では惹かれ始めた同じフロアの別会社に勤める多賀谷さんに奥さんがいることが発覚と、恋愛でもぶんぶんと振り回されるももちゃん。
その度に奈落の底まで落ち込みながらも自力で這い上がってくる姿がたくましい!
私もその意気でがんばらねばー!と思わせてくれます。

このマンガの魅力は、社会人なりたて世代の女の子の感情や考え方を、「そうそう!そうなんだよ〜!」と思わず共感できる部分がたくさんあるところじゃないかな?というわけで、女子にオススメのマンガです

3巻で一応完結するんだけど、いろいろ想像できる終わり方なので、その後のももちゃんを考えてみるのも面白そう
最後の一言が最高にスカッとしますね!これぞ働くたくましい女子だ!みたいな。

あと、読みながら思ったのは…「おいしい親子丼が食べたい!」と「会社に屋上があったらソファを置きたい!」でした。
後者の願いは無理なので、せめて前者だけでも近いうちに…。
神保町の時は500円でおいしい親子丼が食べれたのになぁ…

テンポもいいし、かわいいし、ストーリーもしっかりしているので、★5つを進呈!
これはお金に余裕ができたら買ってしまうかも〜♪
book 18:22 comments(0)
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スイーツレポートばかりとなったブログ。
読んだ人が「食べてみたい!」と思ってもらえたら嬉しいなぁ。
そんなことを願いながら綴っています。
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